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進出企業

IT・コンテンツ

クリエイティブ産業の振興に積極的で、映像業界を志すアーティストが豊富な
札幌市にスタジオを設立。

株式会社ENGI
代表取締役社長 吉岡宏起 様

世界のアニメ市場に"革新"をもたらす為に設立した、日本発のアニメーション制作会社。
倉敷スタジオに続く拠点として、2021年10月札幌市に「札幌スタジオ」を開設。
更なる人材の獲得・育成、制作体制の整備・強化を行い、世界と伍すべく映像技術の革新を図る重要な拠点として育てていく。

Q. 札幌に進出した経緯を教えてください。

ポイントとしては次の3点です。まず前職の会社で札幌に進出した経験があり、その際、企業進出に係る優遇措置がしっかりしていたことが記憶に残っていたこと。札幌在住のキーマンとなる人材候補との交流が続いていたこと。札幌に住んでいる若者に優秀な人材が多いという感覚を持っていたことです。(恐らくはハドソン社の血脈が途絶えずに様々な企業が競い合っているからだと思います。)

Q. 事業や採用面で、札幌でのご展開の手ごたえは?

スタジオ設立から人材獲得においては、キーマンたちの活躍により、スムーズに移行できていると思います。人材面において、平均的には東京、札幌であまり差は感じませんが、ハイエンドレベルの人材については、東京のほうが多くの獲得チャンスがあると感じます。一方で、これは地域性かもしれませんが、自宅でも絵を描いて気分転換するなど、仕事にも繋がるような休日の過ごしかたをしているスタッフがいたりと、札幌の人材のほうがより真面目で、ディレクター職含むアーティストスタッフの成長環境として適していると感じています。

吉田様写真 写真01

Q. 倉敷に次いで2か所目の地方スタジオとして、札幌に進出いただきました。札幌スタジオが御社の作品作りにおいて果たす役割を教えてください。

倉敷スタジオの設立は、競合他社が近郊にいないという事業面、電車で1時間半以内の圏内に福山市、岡山市、高松市など40〜60万人の都市が複数存在しているという人材採用面の優位性を見込んで設立しました。倉敷はゆっくりとアーティストを育てていくというコンセプトで進めており、札幌も当面は倉敷同様にアーティスト育成を進めていきますが、将来的には東京本社と並行した独立的な形にし、独自に運営していくスタイルのスタジオにしたいと思っています。

Q. 札幌にどのような魅力を感じますか?

札幌は冬の厳しさはあるものの年間を通して気候がよく、商業施設や交通網も充実。食べ物もおいしく、自然環境にも恵まれており、加えて手ごろな金額で住みやすい住居が多く、とても暮らしやすい場所だと思います。一方、スタジオ側としては、札幌は4大都市圏と比較するとスタジオを構えることができるホットスポットの範囲が狭く、地下鉄南北線の札幌〜中島公園の近郊に置けば人材が集まりやすいという点が長所でもあり短所でもあると思います。また、人材については、北海道から出たくない、地元で働きたいという若者が一定数存在していると感じており、それゆえ、他の地域への流出やヘッドハンティングを防ぎやすいところも札幌ならではと感じています。

オフィス写真 写真02

Q. 今後の展望等についてお聞かせください。

札幌に限らず、日本には収入が不安定な傾向にあるイラストレーター職やコスト回収が容易ではない3DCGデザイナー職(いずれもゲーム業界向け?)の道を進ませようとする学校がとても多いと思います。地方都市は東京に依存せず、海外からも外貨を獲得するためにゲーム産業を推し進める傾向にありますが、結果としては狭き門となってしまっているため、今後は作画アニメ専門学校と作画ハイブリッドスタジオの設立を進める地方都市が出てくることが良いのではと考えています。もっと作画ハイブリッドのTVアニメが作れるための教育を行える学校を増やし、当社のみならず、他の作画ハイブリッドスタジオが増えることになれば、札幌でのコンテンツ特区としての価値は東京に匹敵するぐらいに上昇すると思います。これらを前提として、当社は地方都市スタジオに対する人材育成と長期雇用に力を入れてまいります。

オフィス写真 写真03

企業DATA

株式会社ENGI

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本社の所在地:
東京都中野区
札幌の所在地:
札幌市中央区
事業内容:
アニメーション制作事業全般

取材日:2023年3月