家庭は学校の延長ではありません

• お父さんお母さんに知っていただきたいのは、家庭教育は学校教育の延長ではないということです。子どもにとって家庭は自分が生まれ育つ場です。そこで大切なことは、家庭が子どもにとって安心できる居場所であること。家庭教育は、そのうえで基本的な生活習慣や物事の価値観など、学校では学ばないようなことを伝えていきます。成長とともに家庭学習など、学校での学習を補うことも必要になるでしょう。しかし、その順番を取り違えたり、勉強だけが中心になってしまうと、家庭が学校と同じようになってしまい、子どもにとって家庭が安心できる場でなくなってしまいます。

子は親を見て育ちます

• 「無意図的な学習」という言葉があります。無意図的な学習とは教える意図をもっていないのに、学習効果をもってしまうことです。家庭では知らず知らずのうちに、子どもが親の行動を真似てしまう、つまり無意図的な学習効果が生じます。例えば部屋の片づけが大好きな親の子どもは、親が言わなくても床に落ちたごみを拾います。それとは逆に掃除が苦手であれば、子どもは汚れた部屋のなかでも何もしません。行為ばかりではなく発言についても、子どもは親の行動を真似てしまいます。いつもネガティブな発言をしていれば、子どもも同じような考えになってしまいます。人生には何が大切か、どのようなことに価値があるのか、親自身があるべき姿を伝えられるようにしたいものです。

家庭教育はオーダーメイド

• 教育に関するハウツー本が出回っていますが、一番いけないのはその方法をそのまま当てはめてしまうこと。人それぞれ個性、さらには置かれている環境が異なります。ほかの人がその方法でうまくいったとしても、自分の子どもも同じとはいえません。他の人のやり方を参考にしても、わが子には何が向いているのか、どんな方法ならばよいのか。その子の特性を最大限に発揮して、自分らしく生きられるようサポートできる親になりたいものです。そのためには、子どもが何に関心を持っているのか、どんなことならば夢中になれるのか、日ごろの子どもの様子を見たり、話をすることが大切です。