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本社機能

災害時にこそ保険会社の使命を果たす
そのために札幌本社を設立しました。

アクサ生命保険株式会社
取締役 代表執行役社長兼CEO ニック・レーン 様

2014年11月、事業継続体制を強化するため、「札幌本社」を設立。東京からの転勤者と現地採用者、外部委託先の要員を併せて、約520人が従事し、全社のオペレーション上の重要業務の50%が処理できる体制を整える。

Q.札幌へのご進出の経緯は?

東日本大震災直後の混乱の中、いかなる非常事態の中にあっても決して事業を中断してはならないという方針のもと、福岡に一時的なバックアップオフィスを開設しました。その後、東京の安全が確保され、半年後には人員を東京に戻しましたが、この時、オペレーションの継続性を担保しなければ、非常事態の際にお客さまへのサービスや被災した現場の社員へのサポートを十分に行うことができないということを痛感しました。そこで、2012年、危機管理・事業継続部門を立ち上げ、BCPの本格的な検討に着手。東京とは別の場所にバックアップ機能を持つ本社を新設すれば、非常事態が起こっても互いに補完し合い、事業継続が確保できると考えました。

Q.札幌を選んだ決め手は?

全国の主要65都市を並べ、自然災害リスク、電力管轄圏の分散、労働力人口の動向、高等教育機関の集積など、様々な観点からスコアリングを実施しました。最終的に決め手となったのは、「北海道バックアップ拠点構想」への共鳴です。首都圏で大地震などの災害が発生し、機能不全に陥ったときなどは、北海道がバックアップ拠点になる、という構想を示したものなのですが、私たちの考えがまさにそこにありました。

Q.地元からはどんなサポートがありましたか?

札幌への進出が決定してから、開設までの1年間、毎月、北海道と札幌市と当社の3者合同で定例会議を行い、様々な情報交換をして設立準備にあたりました。現地雇用に向けては、人事担当役員と地元の大学のキャリアセンターを繋ぐツアーを開催していただきました。当時、札幌本社が入る予定のビルが竣工前だったため、別の場所に面接会場を確保しなければならなかったのですが、ハローワーク・マッチングセンターが無償で会議室を貸してくださいました。また、東京から赴任する社員やその家族に向けた札幌の暮らしの情報が詰まったメルマガの発行は有難かったですね。開設式には、知事、市長と共に財界の名だたるメンバーも出席していただき、皆さんから温かく迎えられたという思いを強くしました。

Q.リスクヘッジを確実なものとするために取り組んでいることは?

札幌本社設立後、国内の生命保険会社としては初となるBCPの国際標準規格ISO22301を取得しました。また、地元の不動産会社ビッグやイオン北海道と協定を結び、首都圏大災害時に東京からのサポート要員が迅速かつ安心して業務を開始できるよう、住宅と生活必需品の確保ができる体制も整えました。社員に対して事業継続に関する意識啓発も始めるなど、単に拠点を分散しただけではない、より確実な事業継続体制の強化を進めています。

Q.「札幌本社」を設立したことによりどんな効果がありましたか?

まず、お客様から生命保険会社として高い評価をいただくようになったことに加え、札幌市での現地雇用が地域の活性化につながると、地元の経済団体やメディアから注目をいただくようになりました。
また、札幌は首都圏ほど人材不足が深刻ではない一方、大学や短大などが多いため、優秀な人材を確保しやすいと感じています。そのため、当社では、札幌へさらに業務を移管し、札幌本社の人員体制も増強する計画を立てています。
これからも地域社会の一員として、地元に根を下ろし、札幌の発展と共にさまざまなことに取り組んでいきたいと考えています。

企業DATA

アクサ生命保険株式会社

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本社の所在地:
東京都港区白金1丁目17番3号 NBFプラチナタワー
札幌の所在地:
札幌市中央区北2条西4丁目1番地 札幌三井JPビルディング
事業内容:
生命保険業

取材日:2017年2月